Material
~天然皮革とは~
動物の皮を加工して作られた皮革の事です。天然皮革は、動物の皮をそのまま加工して作られるため、動物の個体差によって質感や色合いが異なります。天然皮革ならではのデメリットもありますが、経年による変化を楽しめるのが大きな魅力です。素材の不均一さや手入れを必要とする手間も含めて、天然皮革を使用しているFEELZEの革製品をお楽しみ頂ければと思います。
・「トラ」の説明
「トラ」とは革の表面にスジのように入っているシワを指します。生前、良く動かしていたシワの入りやすい部位に見られます。このトラは天然の革にしか見られない為、革の個性としての側面もあります。動物が生きていた証であり、革の傷みという訳ではないので、FEELZEではそれらの箇所も状態を見極めながら問題が無ければ使用しています。
・「血筋」の説明
「血筋」とは皮膚の下を走っていた血管の痕が革に残ったものです。銀面(表面)にうっすら見えるものと、床面(裏面)の線維層に現れるものがあり、葉脈や稲妻のような模様をしています。天然の素材だからこその痕跡で、制作時に出来る傷や欠陥ではありません。
・「シボ」の説明
「シボ」とは、革の表面にある立体的なシワ模様の事を指します。一枚の同じ革でもシボの入り方には強弱があり、カットする部位や個体差により、同じ商品でも一点一点雰囲気が異なる事があるのでご了承下さい。
・「バラ傷」の説明
「バラ傷」とは外で飼われていた時に出来た、喧嘩や怪我の傷であったり、虫刺されの痕の事を指します。これらは天然な風合いを活かした、表面加工を最低限にとどめられている革によく見られます。天然皮革に傷は付きものです。FEELZEではこのような軽度の傷については用いる箇所を考慮しながら使用します。
・「色味の違い」の説明
生産ロットの切り替わりや個体差により、同じ革を使用していても色味が異なる事があります。また一枚の同じ革でも、場所により染まり具合にムラが発生する事もあります。制作時の色合わせには注意を払いますが、天然の素材ならではの不均一な事象であることをご了承下さい。
・色落ちの説明
FEELZEで使用している革は天然な風合い、自然な経年変化を特徴としている革を使用している為、表面に色止め加工のようなコーティングがされていません。淡い色のお洋服の着用時に、強い摩擦が加わったり、汗や雨などで濡れた状態でお使い頂くと色移りが発生する事があります。天然皮革の短所でもあるので、お取り扱いにはご注意下さい。
~革の種類~
・オイルダコタ
こちらの革はコンビネーションなめしという製法で作られています。
植物性タンニンなめしと、クロムなめしのお互いの良いところを活かした製法になります。
クロムなめしとは化学薬品を使ったなめし方で、生産コストがかかる植物性タンニンなめしと違い、短時間で作られるようになり、大量生産が可能になりました。
その為、クロムなめし革の方が流通量も多いです。
身近な所では車のシート、服や鞄、靴など、様々な分野で使用されています。
クロムなめしの特徴としてはタンニンを含まないので、エイジングによる革の風合いの変化が起きません。
その代わりに傷や水、熱に強く、柔軟性もあり、お手入れなども簡単で扱いやすい革でもあります。
コンビネーションなめしは植物性タンニンなめしのエイジングの要素を残しつつ、クロムなめしの耐久性の要素も入った、バランスのとれた革です。
革を広げても部位による革の質感の違いや、天然素材なので個体差はありますが、品質は安定しています。
ただ柔らかいだけではなく適度なコシもあり、素材としての汎用性が高いので、小物を中心にFEELZEでは1番商品に使用しています。
そんな使いやすさと革の風合い両方を兼ね備えたオイルダコタ。
革製品をあまり使った事がない初心者の方から、色んな革製品をお持ちの方まで、幅広い方にオススメ出来る商品を作っています。
・ヴォーノオイル
こちらの革は国内産のオイルレザーになります。しなやかさと耐久性をあげる為にオイルが含ませてあります。
ヴォーノオイルは植物性タンニンなめしという、作るのにたいへん時間も手間もかかる製法で作られています。
植物性タンニンなめしの革は、汚れが付きやすくデリケートな面もありますが、コバと呼ばれる革の断面は磨くと輝き、使う程に深い色合いへと変化していく特徴を持っています。
革製品が好きな方は、よく革を育てると表現する事がありますが、まさに経年変化を存分に楽しめる素材となっています。
日本の革は一枚の皮を背骨に沿って半分に分割してから作られるのが主流です。この裁ち方を半裁と言い、広げると人が寝転がれる程の長い革である事が多いです。
ただ、肩周りとお尻周りが比較的、質の良い部位とされているのに対し、本来繋がっていたそれらの部分が半分の状態になるので、上手に無駄なく使うには裁断の技術も求められます。
ヴォーノオイルはシボと呼ばれる凹凸の模様が強く入ってるかと思いきや、すぐそばにはツルッとしたところもあり、牛の生前の体に入っていた「トラ」と呼ばれるシワもあったりと、一枚で様々な表情を見せてくれます。
FEELZEではヴォーノオイルの荒々しい個性と相性が良さそうな、鞄やベルトに採用し、男性向けに振り切った商品に使用しています。
革としての面白さも扱いにくさもFEELZEの革の中では1番なヴォーノオイルですがその分、他のFEELZEの商品とはまた異なった雰囲気を持っている格好良い革です。
・ロンドン
こちらの革はイタリアで作られたイタリアンレザーです。イタリアは上質な革を作っているタンナーが多く、この革も非常に魅力的な革です。
スエードと呼ばれる種類の革で毛が残っているのが特徴です。均一な毛足はなめらかで、裏側をレジンで加工している為、表側の表情を存分に活かせる素材になっています。
また、ダブルバットと呼ばれる牛のお尻付近の非常に良い部位を使って作られているので、製品にする時の裁断ロスも少なく、革にしては珍しく制作者の都合にも良い革になってます。
FEELZEではこの革を使い、フリンジキーチェーンや編み込みショルダーバッグを作っています。
ツルッとした表情の革も良いですが、毛が付いている革はどこか温かで柔らかく、使い始めから馴染みが良いので、是非体験して頂きたい革です。
・たつのハンドワックスレザー
こちらの革は銀面(表面)に手塗りでワックスを浸透させる作業を計4回も繰り返して作られています。
ワックスは熱がある状態の時に浸透しやすい性質を持っているで、固形のワックスを溶かし、革もアイロン等で温められた状態で塗り込まれています。
一枚一枚の革を全て手作業で加工されており、非常に手間がかけられて作られています。
革の原厚は3ミリ程ありますが、オイルがふんだんに入っている事もあり、しなやかです。また、革を曲げたり、揉んだりすると革の中で油分が移動するプルアップレザーでもあります。
革の断面や床面(裏側)が異なる色をしていますが、これは革の表面のみを染色する、丘染めという技法で作られており、使っていくうちにもともとの地の色と、色が付いている部分とでコントラストが生まれ、面白いエイジングをするのも魅力の一つです。
今は芯通しと呼ばれる革の中までしっかり染められている革が一般的ですが、ヴィンテージの革製品などは丘染めのものも多く、独特なエイジングをするので一部から絶大な人気があります。
ファッションシーンではあえて芯通しされていない革で製品を作り、昔の革製品の良さを踏襲した新たなモデルが作られたりもしています。
たつのハンドワックスレザーはランドセルのようなスムースな箇所もあれば、天然皮革ならではのワイルドな箇所もあり、裁断のしようでは大人しくも武骨にも仕上がります。
〈お手入れ方法〉
・購入後、ご使用になられる前に皮革用のオイル(ラナパー)等をお塗り頂くと、多少の撥水や使い始めの汚れの予防につながります。(オイルをご使用の際は、ご自身の皮革製品に適合しているかご確認下さい。また塗り始めは目立たないところから始めて頂く事をオススメします)
・日々のお手入れとしては、定期的なブラッシングや、革の状態を見て乾燥や傷が目立つようならオイルをお塗り下さい。そうすることで良い状態を保ち、より長くご使用頂けます。(皮革用オイルの塗り過ぎも良くないので、適度で問題ありません)
・万が一、雨などでまだらに濡れてシミになってしまった際は、かたく絞った濡れ布巾を用意し、シミの境界が馴染むまで優しく全体を濡らして下さい。その後日陰干しをし、完全に乾いてから仕上げにオイルをお塗り頂くとシミが少し目立たなくなります。
・防水スプレーのご使用は経年変化の妨げやシミになる場合もあるので、ケア用品の商品説明を良く確認し、お取り扱いにはご注意下さい。
・長期でご使用になられない際はカビの原因にもなるので、高温多湿の環境を避け、風通しの良い場所で保管して下さい。